排卵障害への対応
- 基本は、排卵誘発を行い卵胞の発育をサポートすること
排卵障害への対応は、排卵誘発を行うことです。排卵誘発を行う場合には、明確なメリットとデメリットがありますので、そこに注目していきましょう。
排卵誘発
- 薬剤を使用して、体内のFSHを増加させ、卵胞発育を促す
- 排卵が起こりにくい、排卵時期がズレやすい方が対象
排卵誘発とは、排卵誘発剤と呼ばれる薬剤を使って、脳から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)を増加させることで、卵胞の発育を促す治療です。誘発の結果、卵胞が一定のサイズに達すると排卵が起こります。月経不順があり、排卵が起こりにくい方や排卵のタイミングにバラつきがある方が対象となります。
排卵誘発を行う際の注意点
- 2個以上の卵子が排卵することで、多胎妊娠の可能性が上昇する
- 4個以上の排卵が起こりそうなら、避妊が必要になる
排卵誘発は、排卵のタイミングを早める治療ですが、FSHが増えることで卵胞の発育が早まるだけでなく、複数の卵胞が同時に育つことがあります。その結果、双子や三つ子などの多胎妊娠の可能性が高くなります。特に、4個以上の卵胞が発育した場合には、多胎妊娠のリスクが高いため、タイミングをとることは推奨されません。
卵胞モニタリング、タイミング法
- 経腟エコーで卵胞の大きさを確認する
- 卵胞の大きさから排卵する時期を推定できる
排卵誘発剤によって発育した卵胞は、一定の大きさになると排卵します。経腟超音波検査で卵胞の大きさを定期的に確認することで、排卵の時期を予測することができます。また、卵胞の育ちが十分でない場合には、追加の注射などを行うかどうかの判断も可能です。予測した排卵日に合わせて性交渉を行うのが、タイミング法になります。
難治例への対応
- 複数発育させていいなら、卵胞発育させることはそこまで難しくないことが多い
- 複数発育すると、多胎妊娠の可能性が高くなり、妊娠出産のリスクが高くなる可能性がある
- 体外受精・胚移植であれば、複数排卵による多胎妊娠のリスクを低減できる
排卵誘発剤への反応が弱い場合には、薬の量を増やすことで、多くの場合は排卵を起こすことが可能です。ただし、その結果として複数の卵胞が同時に育つことも多く、排卵の数を完全にコントロールすることは難しい場合があります。このような状況が続く場合には、治療方法を切り替え、体外受精・胚移植を選択することがあります。体外受精では移植する胚の数を調整できるため、複数排卵による多胎妊娠の問題は起こりにくくなります。