人工授精とは?
- 排卵のタイミングに合わせて、性交渉の代わりに精子を子宮内へ注入するのが人工授精
人工授精とは、精液を洗浄・濃縮し、子宮内に入る量に調整したうえで、細いチューブを使って子宮内に注入する治療です。精液中の精子の数や動きがやや低い場合でも、精子を効率よく子宮内に届けることで、受精の可能性を高めることができます。タイミング法で性交渉を行う代わりに、調整した精子を子宮内に注入して、受精の効率を高めるための方法と考えるとわかりやすいでしょう。
人工授精の治療適応
- 主に精液所見が少し良くない方が対象
- 性交障害・射精障害、原因がはっきりしない不妊症(機能性不妊)、子宮頸管が原因と考えられる不妊症も対象
- 精液所見がかなり悪い場合には、治療効果が期待できないこともある
人工授精は、軽度から中等度の男性不妊、性交障害・射精障害、原因がはっきりしない不妊症(機能性不妊)、子宮頸管が原因と考えられる不妊症が対象となります。一方で、両側の卵管が詰まっている場合や、精子の数や動きが極めて低い場合には、妊娠率が期待できないため、体外受精・胚移植をおすすめすることがあります。
人工授精治療の流れ
- タイミング法とよく似ている
- 性交渉を行う代わりに、濃縮した精子を子宮の中へ注入し、受精の効率を高める
人工授精の治療の流れは、基本的にタイミング法とよく似ています。排卵の時期に性交渉を行う代わりに、クリニックへ精液を持参していただき、調整した精子を子宮内に注入します。卵胞モニタリングや排卵誘発など、それ以外の流れはタイミング法と同様に進めていきます。
精液の準備
- 自宅での採取がおすすめ
- 専用の容器に精液を採取する
- 採取から持参までは3時間を目安に
- 前回の射精から2-7日の間隔を空ける
精液は、自宅またはクリニックで、専用の容器に採取していただきます。人工授精の前には精液の調整が必要ですが、採取直後の精液はすぐには調整できず、30分ほど置いて液化するのを待つ必要があります。自宅で採取した場合は、来院までの間に自然に液化が進むため待ち時間が少なく、スムーズに調整が行えます。このため、基本的に自宅での採取をおすすめしています。
人工授精の限界
- 卵管の通りや精液所見がかなり悪い場合には、十分な効果が見込めないことがある
- 受精卵への対応はできない
人工授精は、排卵の時期に合わせて、洗浄・濃縮した精子を子宮内に注入し、受精の効率を高める治療です。タイミング法よりも受精効率を高めた方法ですが、タイミング法と同様に治療効果には限界があります。そのため、人工授精で妊娠に至らない場合や、効果が期待しにくい状況では、次の段階の治療へ進むことをおすすめする場合があります。