院長ブログ『原因をつきとめる』
月経があれば妊娠が可能であると考えておられる方も少なくないようですが、しかし妊娠するためには卵子が必要であり、その管理及び排卵をしている卵巣の機能は、閉経よりも早くリタイアしてしまいます。また、精子が卵子と出会うまでも大変な道のりなのです。
膣内に放出された精子は、子宮を通り卵管に到達して、そこで卵子と受精します。細胞分裂をくり返しながら子宮に運ばれた受精卵が、子宮内膜に着床して妊娠は成立です。
このように妊娠のしくみはシンプルですが、わずか60ミクロンの精子にとっては大変なサバイバルレースと言えます。受精の場所である卵管までは、子宮の入り口から12~17cmくらいですが、これは精子にとっては5000~6000mにもあたり、山あり谷ありの難所。数億の精子のうち、弱い精子はここでふるいにかけられ、この卵管にまでたどり着くのはわずか数百個。そこから協力して固い卵の膜を破り、選ばれたたった1つの精子が卵子と結ばれます。女性の体内の奥では、このようなドラマチックな生命の神秘が展開されているのです。
赤ちゃんを望んで1年以上その兆しが無いようであれば、やはり何らかの原因が考えられます。35歳を過ぎたなら、自分の身体を知り、妊娠しない原因を徹底的に調べ、個々にあった治療をすること。どちらかが一所懸命に治療を受けても、原因がそこに無ければ、時間も費用も無駄になってしまいます。
まずはお互いのカラダについて知り、ご夫婦共に内容を理解し納得して進めることが、赤ちゃんに恵まれる何よりの近道となります。
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