治療期間が長い不妊治療では、医師と患者さんとのコミュニケーションがなによりも大切になります。お互いが信頼し合い、一丸となって努力し合うことで治療効果は上がります。
医師は、ご夫婦が1日でも早く元気な赤ちゃんを授かれるように、そのときの病状に一番適していると判断した治療を行っています。しかし、治療が長期化すればするほど、「いつになったら妊娠できるのかしら?」「治療は間違っていないのかしら?」と、あせりと不安から不信感を募らせてしまう人も少なくありません。少しでも疑問が生じたら、ためらわずに主治医に疑問をぶつけてください。
また、主治医以外の判断を仰ぎたいと考えることも悪いことではありません。むしろ悩んでいるときは思い切ってセカンド・オピニオンを求めてみるのもひとつの方法です。
セカンド・オピニオンは、医師からの一方通行の診療を避けるために行われるようになったもので、欧米では患者さんの権利として常識になっています。
疑心暗鬼になったまま治療を続けていても治療効果は上がりません。不妊治療には、精神的なことが大きく作用します。疑問を感じたときは、ひとりで悩まず、「別の先生の意見も聞いてみたい」と、はっきり主治医に告げ、転院を決心したなら、新たな気持ちで治療に取り組まれてください。
前向きに不妊治療に取り組んでいても、治療の成果がなかなか現れてこないと、つい弱音が出てしまうことがあります。こんなときは我慢をしないで、医師に相談をしましょう。
また、通院することが苦痛に思うようになったときは、思い切って不妊治療を休憩してみることをお勧めします。さまざまな制約から解放されて自由になると気分が楽になって「またがんばってみよう」という気にもなります。なかには治療を再開した途端に妊娠したという人もいます。
大きなストレスは妊娠しづらい状況をますます悪化させてしまうだけです。とにかく、あまり神経質にならないことが大切です。
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