WHO(世界保健機関)が発表した不妊症原因の統計では、不妊症のご夫婦の約半数が男性にも原因があると報告されています。しかし、現在の医療技術の進化により、男性不妊の99%が治療可能となりました。
奥様の治療方針も、精子の数によって全てが決まりますので、ご夫婦そろっての検査・治療が必要不可欠です。
なお、重度の男性不妊症の場合でも、最近では高度な治療法が種々開発されているので、妊娠率も上がっています。
WHOにおける自然妊娠可能な精子数(下限)は、1ml中1,500万個以上・運動率32%以上です。
この精子数が1,500万個以下の場合は「乏精子症」、前進する精子が32%以下の場合は「精子無力症」、精液中に精子が全くいない場合は「無精子症」、精液が射出されない場合は「無精液症」です。
射精された精子の中には奇形も混ざっています。この奇形率が高くなると妊娠率は下がります。
性交がうまくいかない障害のことです。勃起するが性交がうまくいかない場合の多くは、女性側の処女膜が肥厚し、強靭なため挿入が困難というケースがあります。(女性側が痛みを訴えることが非常に多いです)
勃起障害、勃起不全と言われるもので、勃起しないために性交ができない状態や、勃起はしても十分な勃起にならない、あるいは維持できないために、満足な性交が行えないことを言います。
勃起に関係している神経系の異常や、海綿体に血液を送り込むための血管系の異常、その他内分泌系の異常、ペニスの器質的な疾患(形態異常など)によって起こる器質的原因や、心理的な要因によって性交のできない機能的原因があります。
何らかの理由により、精巣ではきちんと精子が作られているにもかかわらず、射精された精液には精子が極めて少なくなる症状を示す障害です。場合によっては、無精子症のようにまったく精子が含まれないこともあります。
採取した精液を20~30分置いて液化させた後、色や量、または精子の濃度や運動率、奇形率などを調べます。
※検査はお時間が決まっております。
午前 9:30~11:00
午後15:30~16:30
環境が変わり、クリニックでの採取が難しい方は予め容器を取りに来ていただき、ご自宅で採取後持参することも可能です。
精液の採取・持参時の注意点に関しましては、容器お渡し時にご説明いたしますが、先ずは『精子の調整』ページをご参考にしてください
正常 | 1500万/ml以上および総精子数3900万以上 直進運動精子32%以上 |
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乏精子症 | 1500万/ml以下および総精子数3900万以下 直進運動精子32%以下 |
精子無力症 | 前進する精子が32%以下 |
奇形精子症 | 奇形精子が30%以上 |
乏精子症・精子無力症・奇形精子症 | 精子濃度・運動率・奇形率の全てが異常 |
無精子症 | 精液中に精子がないもの |
無精液症 | 精液が射出されないもの |
これはWHOにおける基準であり、自然妊娠が可能である下限です。
当院では、精子濃度6000万/ml以上、直進運動精子60%以上を理想としております。
男性器に奇形や異常がないかを目で視るとともにさわって診察します。精巣、精巣上体、精管などの硬さ、腫脹や、精索静脈瘤などの有無を調べます。男性外性器の大きさや発育程度も機能に影響します。
精巣は、長径が3.5cm前後、短径が3cm前後、また厚さは2cm前後が平均です。また日本人の陰茎の長さの平均は7.4cmで、5cm未満は性交に支障があります。
血液中の、男性ホルモン(テストステロン)や性腺刺激ホルモン(LH,FSH)、プロラクチンなどを調べます。
精子数が極端に少なかったり、無精子症の場合には、染色体検査や遺伝子検査をお勧めすることがあります。染色体の軽微な変化や遺伝子異常が、精子形成障害の原因になっていることがあるからです。また、精巣内精子採取術などの可能性を検討するうえでも大切な検査です。
精子の機能を調べる検査や、精巣や射精管の形態を調べるMRIなど、病状によって行われます。
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