院長ブログ『クラミジア子宮頚管炎』
クラミジアは、性交や性交類似行為により感染し、感染率は30〜50%と強いです。粘膜との接触や分泌物(精液、膣分泌液、唾液、血液など)との接触により感染するといわれておりますが、過剰に普段の生活(トイレやお風呂など)で感染を心配する必要はありません。
妊婦が感染した場合、流産や早産の原因となり、母子感染をした場合では、新生児が結膜炎や肺炎を起こすことがあると言われています。
クラミジアは無症状のことが多いですが、帯下増加、下腹部痛などの症状がでることがあり、男性ではかゆみや排尿時の痛みなどがあります。クラミジアが子宮頚管から腹部に向かって感染すると、子宮内膜炎、卵管炎、卵巣卵管炎を起こし、また、感染が卵管を通じて腹腔内へ移動すると、骨盤腹膜炎や右上腹部に痛みを伴う腹膜炎などを起こします。クラミジア子宮頚管炎の診断には、子宮頸管から綿棒で検体を採取し、治療は経口の抗生物質の服用が期待できます。クラミジアの治療をせずにしておくと、卵管の通過障害による不妊や卵管妊娠の原因にもなります。
また性交類似行為により喉に感染する咽頭クラミジア感染もあります。感染の可能性がある場合は、咽頭から綿棒で擦過した検体やうがい液から検出します。
クラミジアは一度治療をおこなっても免疫は得られませんので、再度感染者との接触があれば感染する可能性はあります。気づかぬうちにパートナーを感染させ、そこからまた感染してしまうなど、本人のみの治療だけではなくパートナーの検査も必要となります。更にパートナーに別のパートナーが居る場合もありますので、パートナーも検査をして、しっかりと治療をすることが大切です。