着床前診断と産み分けについて【Q&A】
着床前診断(PGT-A)を行っていますか?とよくお問い合わせをいただきます。
着床前診断は妊娠前に行う検査です。
肧(受精卵)には極めて高い確率で染色体数的異常が発生しており、このような肧は移植しても着床しないか、初期で流産してしまいます。
そこで、体外で受精させた胚が分割し胚盤胞にまで進んだ時に、その染色体や遺伝子の検査を行い肧の評価をします。
しかし、お問い合わせの内容をよく聞いてみると、目的が別にある方が数名いらっしゃいました。それは男女の産み分けを希望されていることでした。
「よその医療機関では性別を教えてくれたらしい、だから自分も受けたい。」という方もおられました。
PGT-Aは誰もが受けられるわけではなく、日本産科婦人科学会の認可を受けた限られた施設で、倫理委員会で研究の対象として、学会の承認を得て行う検査です。
ですので、学会の規定上、性別を教えることはないですし、産み分けを目的としての検査も倫理的な観点から認められてはいません。
現在PGT-Aの対象は下記の方です。
・反復ART不成功・・・体外受精を受けて3回連続して妊娠に至らなかった。
・習慣性流産や反復流産・・・流産が2回以上続いた。
当クリニックは2021年3月に日本産婦人科学会より着床前診断(PGT-A)研究分担施設に承認され、学会の規約に基づいて行っており、産み分けは行っておらず、またPGT-Aは当クリニックにご通院中の患者さまに限らせていただいております。悪しからずご了承くださいませ。
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