不妊治療を考えるなら知っておきたい子宮鏡検査
不妊治療を進めるうえで、さまざまな検査があります。
その中でも子宮鏡検査は、子宮内腔の状態を直接観察できる重要な検査の一つです。細いカメラ(直径3~5mmほどの大きさのファイバースコープ)を子宮内に挿入し、モニターを通して医師が、子宮内膜などを肉眼で観察する検査で、子宮の環境が妊娠に適しているかを確認し、必要に応じて治療を行うことで、妊娠の可能性を高めることができます。子宮内腔に異常があると着床の妨げになったり、流産のリスクが高まることがあるため、不妊治療の一環として行われることが多い検査です。超音波検査により子宮内腔に異常が発見された場合や、またその疑いがある場合に適応となります。
子宮内腔の状態を観察し、不妊の原因を探ります。
子宮の炎症、癒着、ポリープはもちろんのこと、子宮奇形や粘膜下子宮筋腫などもわかります。外来で受けられる簡単な検査ですが、検査を行う上でのリスクとして、子宮の感染症があります。抗生剤で予防しますので、お薬のアレルギーや、他の医療機関で抗生剤をもらっている場合は必ず医師に伝えましょう。他に、数日でおさまることがほとんどですが出血や、稀に子宮穿孔などが挙げられます。痛みは個人差はありますが、違和感程度が多く、麻酔不要で、5〜10分程度で終了します。
検査を行う周期は避妊していただき、月経7-12日目頃の排卵までの時期に行います。子宮内の環境を改善することで、妊娠率が上昇する可能性があり、特に子宮内膜ポリープや癒着を取り除いた場合、体外受精の成功率が向上したという報告例もあります。子宮の環境を整え、妊娠への一歩を踏み出しましょう。
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