出生前診断について(③どんな異常がわかるのか)
出生前診断という名前を聞いて、おそらく多くの人が、「これを調べておいて陰性なら何の異常もない、健康な子供が生まれてくる。」と思うかもしれませんが、結論から言うと、「全ての異常がない」ということではありません。
染色体検査で分かる異常は以下です。
NIPT → ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミー
母体血清マーカー → ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、神経管閉鎖不全症
コンバインド検査 → ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー
羊水検査 → 染色体疾患全般
絨毛検査や羊水検査では染色体疾患全般が分かるとされていますが、染色体の数の変化についてはまず診断は正確に行なえますが、染色体の構造の異常に関してはわからない場合があります。もちろん目で見てわかるような大きな構造の異常があれば指摘できますが、目で見てもわからないような非常に細かい異常、遺伝子の異常については発見できません。他の染色体検査でも診断する対象の病気は限られています。
染色体異常は生まれてくる赤ちゃんの病気の一部に過ぎず、染色体検査ではすべての病気の診断はできません。赤ちゃんは誰でも病気をもつ可能性があり、赤ちゃんの約3~5%には、何らかの治療が必要な症状が認められるといわれています。なお、染色体異常の赤ちゃんが生まれる頻度は0.92%です。また、赤ちゃんが染色体異常をもっている場合でも、合併症や発達の程度には個人差があり、検査では様々な成長発達の可能性を予想することはできません。
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