男性型脱毛治療薬(AGA治療薬)と不妊症について
男性における男性型脱毛症(AGA)の進行遅延に使われる薬には5α還元酵素阻害薬という薬があります。これは、男性型脱毛の原因となる、男性ホルモンが活性化して作られる活性型DHT(ジヒドロテストステロン)という物質の産生を抑制します。
しかし、男性ホルモンは精子形成や性機能にも重要な役割があるため、この活性が抑えられることによる副作用が現れることがあります。例えばED(勃起障害)、精液量や精子数の減少などです。いずれも副作用の発生としては1%未満ですのでそんなに多い印象ではありません。
ただし、不妊治療や妊活中にはやはり注意が必要です。
実際に当院でも乏精子症だった方が、実はAGA治療薬を内服していたことが分かり、内服を中止したところすぐに正常精子数に回復したというケースもありました。
もし精液検査の結果が良い結果で無かった場合、この薬の内服がないかも確認が必要かもしれませんし、もし内服中でまだ精子検査を受けたことがないという方は、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。
不妊症の原因は半分は男性因子と言われています。しかしこれが原因だったと気づきにくいものでもあります。ですから、まだ受けたことがない、という方は精子検査を受けてご自身の状態を確認することはとても重要だと思います。
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