精子の調整

人工授精や体外受精を行う際、精液はそのまま使うのではなく、不純物を取り除き、良好精子を獲得するための調整が必要となります。

人工授精当日、または体外受精では採卵日当日に、ご自宅にて採取していただきお持ちいただきます。（ご持参していただいた精子の状態によっては、調整せずに施行、延期、またはクリニックにて再度採取していただくことがあります。）
精子の調整には人工授精では20～30分、体外受精では１時間程度必要となり、決まった時間に行います。予約時間を過ぎてご来院された場合には、次の調整時間帯での調整となります。
また、精液の状態によって調整方法や遠心分離時間が異なり、調整にかかる時間が変動することがあります。

単身赴任や長期出張で精液の当日採取が不可能な場合は、採卵当日までに 精子の凍結保存(自費) をしておく必要がありますが、凍結精子は解凍すると運動率が顕著に低くなります。

【採取・持参していただく際の注意点】

• 精液採取前の禁欲期間は1～3日を目安とし、なるべく中1日は空けてください。連日射精してもAIHの実施は可能ですが、精液所見が悪くなることがあります。
• 精液の採取には専用の容器を使用してください。市販のコンドーム等には殺精子剤が塗布されていることがあり人工授精に使用できなくなります。
• 精液採取用容器の内側は清潔ですので、できるだけ手で触れないようにしてください。
• 精液採取用容器のふたと側面に各々１枚ずつお名前を
  ご記入いただいたシールを張り付け、採取後に容器を
  アルミホイルで２重に包んでください。
  採取からご持参いただくまでは約３時間以内を目安にしてください。
• 精液は温度の影響を受けやすいため、ご持参の際はご注意ください。冬季はコートの内ポケットなど、人肌に触れる状態で持参していただくことをお勧めします。容器が冷えていると、採取した時点で運動率が低下してしまうため、採取前には暖かいところにおいていただくことをお勧めします。また、極端な高温状況は避けてください。
  外気温が37℃を超えるような夏場は直射日光を避けてお持ちください。

密度勾配法

デメリットは遠心による精子へのダメージです。DNA断片化や酸化ストレスがかかると言われています。

スイムアップ法

体外受精では、密度勾配法で得られた形態良好精子に、精子の調整をする培養液をゆっくりと上に乗せていきます。この時泳いで上に上がってきた元気のいい精子を回収し体外受精に用います。

デメリットは遠心による精子へのダメージです。DNA断片化や酸化ストレスがかかると言われています。

ZyMōt™（ザイモート）スパームセパレーター

このような方へ

ZyMōt™を使用する場合、従来の精子調整方法よりも精子回収量が少なくなるため、受精方法は顕微授精のみになります。

どんな検査？

精液を注入口から注入すると、奇形精子や不純物は下部に残り、高い前進運動性を持つ精子が中の膜を通り抜けて上の方に泳いでき、回収口から集めることができます。
デメリットは先進医療の為保険診療と併用はできるものの費用は￥30,000(非課税)で、従来法よりも精子回収量が少なくなります。

検査料金

先進医療(非課税)

検査を行うにあたっての注意点

• ZyMōt™使用後に運動精子が回収できなかった場合は、従来法での精子選別となり、その際も、ZyMōt™の材料費23,650円(税込)はご負担していただきます。
• 従来の精子調整方法よりも精子回収量が少なくなるため、受精方法は顕微授精のみになります。
• 不妊の原因は多様です。これを行ったからといって必ずしも妊娠が成立したり、継続するものではありません。